「資源」×「コミュニティ」

社内でサーキュラーエコノミーの新規ビジネスを手伝うようになって早10ヶ月。
普段の仕事では出会うことができない様々な業種の方や自治体、学校と接点ができるようになった。(サーキュラーエコノミー:廃棄物を出さずに資源を循環させる経済の仕組み)

最近、そのご縁で「資源」×「コミュニティ」という興味深い取り組みに出会うことができた。
そこでは自治体の市民センター内に、資源回収ステーションを設置。
集められたプラスチック資源は、参加企業の技術を生かして新たに製品として生まれ変わらせる。

面白いのはここからで、資源回収をきっかけに集まった人たちのなかでゆるい繋がりが生まれていることだった。
回収ステーション内には資源を使った工作スペース、不要になった洋服や食器を持ち込んだり、譲ってもらえるリユース市、コーヒーとお茶菓子でひと休みできるカフェスペースがあり、様々な年代・バックグラウンドを持つ人々が思い思いに時間を過ごすことができる。
ある女性はここでコーヒーを飲みながらおしゃべりをするのが楽しみで、休館日以外は毎日のように通っているとのこと。また、夕方になると放課後の子供たちが遊びに来て元気をもらえるとも言っていた。
彼女にとってこの場所は、もはやただの資源回収スペースではなく、一つの居場所になっているのではないだろうか。

自分の居場所を探したり、新しくコミュニティに参加しようとするのは、時に労力の要るものである。
(自分の地元もそうなのだが)田舎のような地域では、コミュニティは強力なセーフティーネットである一方で、その結束の強さゆえにちょっとしたことでも厳しい目を向けられるようなこともあり息苦しい場所にもなり得る。
一方で都会は、田舎のコミュニティのような息苦しさからは解放されるが、自分からきっかけを作るなどして動き出さない限りは、ずっと一人だ。会社や学校以外のコミュニティとなると、習い事やセミナーなどお金と引き換えでコミュニティに参加する、といったパターンことも少なくない。(←決して習い事やセミナーが悪いという意味ではない。)

地域の自治会のようなガチガチのコミュニティは苦手だけど、誰かとリアルで繋がっている安心感はほしいという人はけっこう多いのでは?と思っている。
「資源」をきっかけに、年齢やバックグラウンドに関係なく、ゆるく繋がれる場所。
資源だけでなく、人の心も循環するような豊かさを生み出す場所へとなってほしいと強く思う。(48/100)

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※写真は都内のお気に入りのコミュニティカフェに行ったときのもの