いつも同じで、いつも違う。

週末は今年2回目の香川県は直島へ。
大好きな地中美術館のことをもっと知りたくて、念願のプライベートツアーを予約。
学芸員さんとマンツーマン(なかなかできない経験!)で、じっくり鑑賞してきました。

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睡蓮が描かれた庭を作るために池を掘り、モネが愛した草花を植え、毎日お世話をするジャパニーズ・モネ(島のおじさん)がいる、美術館入り口まで続く地中の庭。

(地中美術館はそもそもモネの睡蓮を飾るために建てられた美術館)

訪れた日の前日に草花の入れ替え作業があったそうで、夏仕様になっていました。f:id:marikojikoji:20180517043914j:image

館内は写真撮影が禁止なので、ここからはパンフレットにて。

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これは初めて知ったエピソード。

地中美術館は全てが恒久展示。

この恒久展示に合わせて、植える中庭の草にはトクサを使っています。
トクサはある程度の背丈に成長すると、先端から枯れるとのこと。
いつ来ても同じ景観を守るためのひと工夫。

このトクサは設計した安藤忠雄さんご自身が選んだとのことです。

でも、自然光を取り入れるた恒久展示は見る時間帯、その日の天気で、その印象は全く異なります。
今までいつも午前中に来ていた展示室。
今回初めて夕方に来て見たらびっくり。
作品の様相がまるで違う。
ウォルター・デ・マリアの作品は西日が斜めに射して、神々しく輝き、日没前のモネの展示室はいつもより一層柔らかい光に包まれて、夕方に描かれた睡蓮を見るにはぴったりの空間に変身していました。

①ウォルター・デ・マリア

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クロード・モネ

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もちろん、ジェームズ・タレルのオープンスカイも切り取られる空はいつ何時も同じものはありません。

ジェームズ・タレル

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自然光や風景の一部を作品に取り入れた恒久展示。
自然との境界線を曖昧にすることで、いつもそこにあるのに、来るたびにその様相は違って見えます。
だから何回来ても、全く飽きないし、展示室を何度も行き来してしまいます。

学芸員さんとお喋りしながら見て回った今回の地中美術館
「あっ!だからこの美術館に惹かれちゃうんだな〜。」というのが分かったり、えっ?!というエピソードたくさん教えて頂き、いつもとは違う楽しみ方ができました。

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直島はこれからハイシーズンに入ってしまうので、作品をゆったりと見るのは厳しいかなと思います。
でも、きっと夏も行きます。
夏の日差しに照らされた睡蓮を見に。