語ることばを手にする。

音楽も絵画も昔から人並みに親しんできたほうだ。しかし、自分がなんでその曲を、その絵を好きなのか、良いと思うのか具体的に言語化できずずっともどかしさを感じていた。 そんななか、昨年から絵画教室に通い始めた。絵は見るのは好きだけど、描くのは全く…

もう一つの勉強部屋。

田舎育ちの私は小学生の頃から電車通学。以来、大学卒業まで毎日電車に揺られ学校に向かっていた。高校生になると通学時間は2時間に。1日の中で通学に費やす時間がけっこうなウェイトになった。そんな環境だったものだから、小テスト地獄だった高校時代は、…

居心地の良さと美味しい記憶。

何事においても「こだわったらきりがない。」というけれど、自分にとってのこだわりはカフェやレストランの空間だと思う。もちろん映えるような内装のお店は嬉しいけれど、それ以上にこだわりたいのは次の三つ。席の間隔、椅子の座り心地、選曲と音響のボリ…

「資源」×「コミュニティ」

社内でサーキュラーエコノミーの新規ビジネスを手伝うようになって早10ヶ月。普段の仕事では出会うことができない様々な業種の方や自治体、学校と接点ができるようになった。(サーキュラーエコノミー:廃棄物を出さずに資源を循環させる経済の仕組み) 最近、…

なんで建築が好きなんだろう。

建築に心を奪われ早3年。 出会いは安藤忠雄の回顧展。 それまで建物は作ったらおしまい。なんというか、"箱"のイメージが強かった。 しかし、そのイメージは一転。展覧会を通して、ある一つの建物がきっかけで周囲の環境を変わったり、人とのつながりや新た…

旧素材こそ新しい。

鑑賞するたびに知恵熱が出ちゃう、杉本博司さんの作品。 頭疲れるけど、どうしても気になるので「新素材研究所・-新素材×旧素材-」を観に建築倉庫さんへ。 展覧会の要旨をザックリまとめるとこんな感じなのかな。「かつて人間が自然と上手に共生できていたこ…

グンマーの秘宝、太田市美術館・図書館。

「この企画展を逃したら、グンマーに行くことは当分ないだろう、、、。」 ということで、ずっと気になっていた太田市美術館・図書館へ行ってきました。 駅を降りて片目を瞑って顔を上げると、どこにでもある地方都市の殺風景なロータリー。なのですが、、、…

「僕らはもっと繊細だった。」

今日はお天気だったので、散歩がてら原美術館へ。Lee Kit さんは香港出身のアーティスト。 彼の特徴は、展覧会を開催する街の空気感や感情に寄り添った作品を創り上げることだそうです。 今回初めてLee Kitさんの作品を拝見して思ったことは二つ。 ①光の使い…

キーワードは、心地よい澱み。

念願のニューヨーク旅行から早1ヶ月。あまりにも沢山の刺激を受けて、なかなか自分の中で整理できずにいました。 この一ヶ月は、東京の色んな場所や人をたずねて見たり聞いたり。 比較していくうちに、段々とニューヨークで感じたことを言葉に落としこめるか…

彫刻を暮らしのなかに。

駆け込みでイサム・ノグチ展‍♂️ニューヨークのMETで見たノグチ氏の『水石』という作品。 3日間連続で観に行くぐらい気に入ったのですが、「何でこうも肌に馴染む作品なのかな?」と。 そのヒントを探しにやってきました。このよく分からない肌に馴染む感じ、…

陰翳をことばで語る。

「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰影のあや、明暗にあると考える。」谷崎潤一郎『陰翳礼讃』より。 以前、『建築の日本展』で学んだ日本建築の三つキーワード「もののあはれ」「無常」「陰翳礼讃」。いずれも感性であって、目に見えない…

支えられて、生きている。

新潟県は越後妻有で3年に一度開催される大地の芸術祭。購入型クラウドファンディングで見つけたツアーに参加に思い切って参加してきました。作品は社会的メッセージ性の強いものから、感覚的なものまでバラエティ豊富。 でも、一番胸に刺さったのは作品では…

マイ棚卸し in 直島。

何だか針が欠けたコンパスで歪な円を描くような毎日。 これのままでいいのかなぁ、と思いながらもクルクルと回り続ける。 でもここに来ると、ふと手を止めて(?)自分が描いてきた円を見つめ直すことできる。 言うなれば、直島はマイ棚卸しスポット。 現代ア…

今年は一緒に。

運命なのか、偶然なのか、今朝読んだ本の一節が今日という日にぴったりでした。 『人生に起こるできごとは、いつでも「突然」だった。昔も今も…。 (中略) 幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。 それがたぶん、人間にできる、あらんか…

路地に行くほど、面白い。

週末はご縁あってまたや谷根千散歩。 谷根千といえば、まず思いつくのは「夕焼けだんだん」でお馴染みの谷中銀座。 たしかにあのメインストリートだけでも、楽しいこと、美味しいものがギュっと詰まっています。でも、一歩路地に入ったところや、根津・千駄…

ゆる小さくて、ちょうどいい。

香川の島好きの間でも特に人気が高い男木島。島民の方曰く、たまに他の島からこっそり偵察に来る人もいるとか。 規模感、ゆるさ、そして猫!!その全てがちょうど良い。なかなか上手に言葉で伝えられないので、今回は男木島スナップをパラパラと貼らせて頂き…

廃屋から、愛され図書館へ。

瀬戸内海に浮かぶ小さな島に、皆んなから愛されている図書館があります。その名は男木島図書館。たまたま徳島までの往復の航空券をマイルでゲットしたので、バスとフェリーを使って行ってきました。(※男木島は香川県高松市です) ちょうど梅雨明け直後という…

ご縁はつなぐ、恩はおくる。

先日、旅先でお世話になった方達が東京に遊びに来て下さいました。いつもちょろっと訪ねてくる観光客の一人にすぎない私を訪ねてきてくれるなんて!とそれだけで嬉しい気持ちでいっぱいでした。しかも貴重なお休みを使って。 ①大好きな江之浦測候所に同行さ…

小田原・熱海方面に行きすぎな件。

ここ最近、週末に都内にいると、なにか消費しなきゃっ!有効に時間を埋めなきゃ!と思って辛い。なので、月二回ぐらいでふらっと東海道本線に乗って海を見たり、車内で読書したり、うたた寝したりしています。 (品川〜熱海の所要時間は約1時間半。読書にはも…

思考を感覚に、感覚を思考に。

瀬戸内海に浮かぶ、茶色い煙突がトレードマークの犬島。 人口は約50人、1時間もあれば徒歩で島を回れるぐらい小さな島ですが、ここで見たこと、考えさせられたことはとんでもなくスケールが大きかった、、、。 そもそもこの島に来たのは、好きな建築家、妹島…

いつも同じで、いつも違う。

週末は今年2回目の香川県は直島へ。大好きな地中美術館のことをもっと知りたくて、念願のプライベートツアーを予約。学芸員さんとマンツーマン(なかなかできない経験!)で、じっくり鑑賞してきました。 睡蓮が描かれた庭を作るために池を掘り、モネが愛した…

ありがとう、竹中工務店。

何も下調べせずにやって来た神戸。本屋さんでの立読みで偶然見つけたのが『竹中大工道具館』。良くわからないけれど面白そう!と思ってとりあえず行ってみたら、神戸での思い出を全て持っていかれるぐらい素敵な場所でした。 竹中大工道具館は日本で唯一の大…

横尾ワールドとイラン。

GW後半は神戸に来ております。 目的は二つ。 横尾忠則現代美術館とイスラーム映画祭。 そして、どちらもちょっとしたご縁で。 ①横尾忠則現代美術館 きっかけは、豊島横尾館。 雨の豊島で一人歩いていたら、島のおじいちゃんに軽トラで拾われて、「雨宿りしと…

一石二鳥、復習する美術館。

目に沁みるほど新緑が眩しい今年のGW。連休前半の最終日は根津美術館へ。 表参道駅から徒歩10分弱。近くていつでも行けるからいいや〜といつも先送りしており、今回初めて来館。きっかけは東京ステーションギャラリーで観た隈研吾さんの回顧展『くまのもの』…

身体が覚えている記憶。

GWが始まり、私もちょこっと帰省。月一で帰っているけれど、ゴロゴロしたり、散歩をするなどゆったりした時間を過ごしたのは久しぶり。散歩しながら改めて気づいたことは、物理的に家族や土地から離れることはできても、それを自分と完全に切り離すことはで…

歩いて行けるおフランス。

先週末は良く晴れてお出かけ日和でした。せっかくだし散歩しつつ、歩いて行ける美術館へ!ということで東京都庭園美術館に行ってきました。場所は港区白金台。同じ港区勤務とはいえ、浜松町周辺の殺伐とした感じとは打って変わって穏やかな空気感。近くには…

熱に浮かされ熱海まで。

新年度の疲れと二日酔いで久しぶりに発熱。でも何としても行きたい企画展があるので、初めての熱海、そしてMOA美術館へ。 MOA美術館は2017年にリニューアルオープンをしたのですが、こちらのデザインに携わったのも杉本博司さん。(←最近よく日記に書かせて頂…

幸運は転がってくるもの。

持論ですが、幸運は掴むものではなく、転がってくるものかなと思っています。先日も思わぬところでコロリと。 私はペルシア語とイラン映画を学んでいたこともあってか、中東やイスラーム関連の催し物には今でも行かなきゃいけない!という謎の使命感を感じま…

推奨、芋づる探索。

先週末は芋づる探索が功を奏して良いことが。(※芋づる探索: 芋づる式に興味関心を増やしていくこと)自分が過去に蓄積してきた好きなものと今の好きなものが実はつながっていて、何となく嬉しい気分になりました。 見つけたつながりは二つ。一つめはイサム・…

ときは平成、気持ちは原始人(?)

昨年10月のオープン以来ずーっと気になっていた江之浦測候所へ。ディレクターはアーティストの杉本博司さん。直島で見た海景シリーズ、護王神社に惹かれてますます興味が湧いてきたところでの訪問でした。 場所は東海道本線の小田原駅から二駅先の根府川。周…