旧素材こそ新しい。
鑑賞するたびに知恵熱が出ちゃう、杉本博司さんの作品。
頭疲れるけど、どうしても気になるので「新素材研究所・-新素材×旧素材-」を観に建築倉庫さんへ。
展覧会の要旨をザックリまとめるとこんな感じなのかな。
「かつて人間が自然と上手に共生できていたころの旧素材(石や木に職人さんの手が加わったもの)。
これらを再解釈して、新しい価値を与えよう、新しい建築の美学を提示しよう!」
展覧会は模型や写真、渋カッコいい旧素材たちがずらり。
杉本さんは「旧素材こそもっとも新しい」と仰っていますが、頭がクラクラするほどカッコ良かったです。
あと、今回の展覧会で自分の中の「建築モヤモヤ」がちょっと晴れました。
建築に造詣が深くはないけれど、現在は二つの潮流があるのかな?と思ってます。
①暮らしをつくる・提案する実験場としての建築。
②思想表現のキャンバスとしての建築。
杉本さんはどちらかというと後者に当たるのかなと思います。
ただ①にも②にも言えることがあります。
伊東豊雄さんの言葉を借りるならば、それは「建築がどんどん自然に開いている」ということです。
かつての建築は技術によって自然をコントロールして成立していたけれど、今は逆。
技術の力を借りて自然と共生できる建築が理想になりつつあります。
今まで、「暮らしの建築」と「アートの建築」は全く別物のように思っていました。
でも、根底には共通の問題意識が流れているのだな〜。と新たな気づきを得ることができ、ちょっとスッキリしました。
鑑賞料は3000円と少しハードル高めですが、杉本ファンは是非お越しを。
(44/100)